2015年3月8日日曜日

ソーシャルアクションの方法  なぜデモが影響力を持てないのか(7)  政治の機能不全1

前回の記事では、マスコミが機能不全に陥っている要因として、政治家がマスコミに圧力をかけたり懐柔するようになり、国民の知る権利を侵害し始めているということを書きました。

政治家がマスコミに対して露骨に圧力をかけたり懐柔するようになったということは、政治家が民主主義の基本原理を無視するようになったということであり、マスコミが機能不全になっているのと同時に、日本の政治も機能不全に陥っているということです。

私は、この10年くらいで、日本の政治家に対する印象が大きく変わりました。今の日本の政治家を見ていると、日本を背負っている人達であるという感じがしないのです。また、未来の日本をどう作っていくかというビジョンを持っているようにも感じられません。どことなく軽い乗りで仕事をしている人達であると思ってしまうのです。真面目に政治家としての仕事に取り組んでいる方もいるはずなのですが、軽いと感じてしまうのはなぜなのでしょうか。

1つは、今の日本の政治家は、戦争を経験していないということがあると思います。彼らは、1945815日の敗戦と、その後の占領を経験していません。敗戦とその後の占領について、歴史上の出来事としての知識は持っているのでしょうが、敗戦と占領による混乱や理不尽をあまり体験せずに生きてきた世代の人達であるように思います。

一方で、彼らの祖父母や父母は、戦争で親族を亡くし、自分自身が食糧難や貧困を体験し、国土を外国に占領されるという屈辱を味わい、日本が二度とこのような目に遭わないようにするためにどうすればいいかを本心から考え、今の日本の社会システムを作ってきたのだと思います。

今の日本の政治家は、自らはあまり苦労せず、先行世代の政治家が作った物をそのまま引き継いだだけであるということです。そう考えると、政治家としての理念や覚悟がないように見えるのも仕方がないのかもしれません。

また、今の政治家が軽く感じられるのは、彼らが今のことしか考えていないからということもあると思います。国会中継を聞いていると、とりあえず今を乗り切れれば、50年先のことはどうなってもいいのだろうかと思うことがあります。過去については、先行世代が積み上げてきた社会システムを引き継ぐだけでは飽き足らず、それらを否定し、壊していこうとする意志すら感じられます。過去を否定し、今のことだけにしか目を向けないのであれば、当然未来への深い洞察も生まれてきません。彼らは、過去と未来の双方を切り離した思考を持つ人達であるということです。


≪参考動画≫

「後藤田正晴ロングインタビュー」
https://www.youtube.com/watch?v=-w9AyFAyjMw>(アクセス日:2015/3/7

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